大人のための、大人による、大人のレゴ映画

2014年にアメリカで大ヒットした「LEGO®ムービー」。大ヒットも納得の面白さです。

レンタルショップでは、キッズの棚にあるのですが、大人が観て楽しめる映画です。いえ、むしろ子どもより大人向けの映画扱いでいいんじゃないかというくらいです。

シュールなギャグ、ちりばめられた伏線、そして全てがつながりタネ明かしされるラスト。観てない大人にはぜひ観て頂きたい!!

あらすじはというと、目立った特徴や個性もなく(レゴなので当たり前っちゃ当たり前ですが)、平凡な作業員のエメットは、マニュアル通りの生活を延々と送っています。

そんな生活に対して、エメットは特に疑問も不満も抱いていないのですが、ひょんなことから世界を救う「選ばれし者」になってしまいます。マニュアル通りの生活の崩壊です。レゴワールドを自分勝手に支配しようとする「おしごと大王」の野望を阻止するため、大冒険に連れ出されてしまうのです。

「選ばれし者」になって世界を救う覚悟なんて全くないエメットですが、個性的な仲間や人気ヒーローたちと出会い、徐々に成長していきます。エメットがマニュアル通りの生活に疑問を持ち始めたとき、「おしごと大王」とヒーローたちの決戦の火蓋が切って落とされます。

果たして勝つのはどっち?そしてそもそもレゴワールドって?

シュールなギャグに散りばめられたマニュアル化社会への警鐘

この作品で印象に残るのは、なんといっても現代社会へ警鐘を鳴らしているかのようなシュールなギャグの数々です。まず、悪役が「おしごと大王」というところで、かなり切れ味シャープですよね。

マニュアル化された社会、みんなと同じが一番正しい、マニュアルがないと何もできない主人公。

みんな同じが安心だけど、どこかで自分は特別だって思いたい。そして、失われた創造性。

「みんな違ってみんないい」と金子みすゞの言葉が聞こえてくるような映画でした。

現代社会の「習わし」に疲れた大人たちに、そしてマニュアル大好きな若手社員にぜひ見てもらいたいです。マニュアルがあれば確かに楽だけど、自分で考える楽しさってあるよねと感じられるはずです。

アベンジャーズもびっくりな映画のヒーローたちの夢の共演

「LEGO®ムービー」は、映画好きな人たちにもおすすめです。あらゆる映画をブロック化することに成功したレゴだからこそ可能になった夢の共演が観られます。

バットマン、スーパーマン、ガンダルフなどなど。あまり紹介するとネタバレするので、ぜひ実際に観て下さい。

声を担当している俳優陣も豪華なので、字幕版で観た方が楽しめると思います。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」も絶好調なクリス・プラットが主人公ですし、リーアム・ニーソンやモーガン・フリーマンもあのキャラの声を担当しています。

2017年4月には、いよいよこの作品の続編?スピンオフ?となる「LEGO®バットマン ザ・ムービー」が公開となります。主人公はバットマンで、ジョーカーやらロビンやら出てくるそうです。予告編を見ましたが、何やらとっても面白そうです。

アベンジャーズもDCもいいですが、2017年のヒーロー映画は「LEGO®ムービー」から目が離せません。

LEGO®ムービー(2014年/アメリカ)
監督:フィル・ロード、クリストファー・ミラー
出演:クリス・プラット、ウィル・フェレル、エリザベス・バンクス、ウィル・アーネット、リーアム・ニーソン、モーガン・フリーマン他