本が好きなら興奮せずにはいられない小説版アベンジャーズ

ヒーロー大集合の映画のはしりといえばはしりなのかもしれません。

ショーン・コネリー主演の「リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い」です。

あらすじは、以下の通りです。

19世紀末、英国銀行とドイツの軍事研究施設が謎の人物によって相次いで襲撃されます。英国はドイツの仕業、ドイツは英国の仕業だと考え、両国は一触即発、世界大戦の危機に直面します。

そんな中、英国政府は世界大戦を回避すべく、アフリカで暮らしている冒険家クォーターメインに助けを求めます。英国とドイツの襲撃事件を起こした「ファントム」という謎の人物の犯行を防ぐため、「超人同盟」というチームに参加して欲しいと頼むのでした。

しぶしぶ「超人同盟」に参加するクォーターメイン。果たしてクォーターメイン率いる「超人同盟」は「ファントム」を倒し、世界大戦を防げるのでしょうか。

いろいろ最強な「超人同盟」のメンバー

見所はやはり、「超人同盟」のメンバー御一行様でしょう。「超人同盟」にご参加の皆様は以下の通りです。

主人公アラン・クォーターメイン:「ソロモン王の洞窟」シリーズ

ソロモン王の洞窟 (創元推理文庫 518-1)

ネモ船長:ジュール・ヴェルヌの小説「海底二万里」

海底二万里〈上〉 (新潮文庫)

ジキル&ハイド:スティーヴンソンの小説「ジキル博士とハイド氏」

ジキル博士とハイド氏 (創元推理文庫)

ミナ・ハーカー:ブラム・ストーカーの小説「吸血鬼ドラキュラ」

吸血鬼ドラキュラ (創元推理文庫)

ドリアン・グレイ:オスカー・ワイルドの小説「ドリアン・グレイの肖像」

ドリアン・グレイの肖像 (新潮文庫)

トム・ソーヤー:マーク・トウェインの小説「トム・ソーヤーの冒険」

トム・ソーヤーの冒険―トウェイン完訳コレクション (角川文庫)

ロドニー・スキナー:H・G・ウェルズの小説「透明人間」に出てくる主人公ホーレイ・グリフィン博士から透明薬を盗んだ盗賊(という設定)

透明人間 [完訳版] (偕成社文庫)

皆々様、小説界では有名人ばかり(一部には違う人もいますが)。こんなある意味最強のメンバーが、世界大戦を企む悪党相手に大暴れします。街もたくさん壊します。

悪役もまた超大物

「超人同盟」のメンバーにも興奮はするんですが、私が一番「うぉぉ!」となった興奮したのが、「ファントム」と呼ばれる悪役の正体です。ネタバレは控えますが、某小説に登場する有名人です。

最後に正体がわかるんですが、途中で呼ばれるファーストネームなどから、小説好きの人は最後までいかなくとも察しがつくかもしれません。「ももももしかして??」みたいな感じで。

まさに小説版アべンジャーズ!ロバート・ダウニー・Jr.もいいけど、ショーン・コネリーもひたすらかっこいいというおじさま堪能映画です。

そして、観終わった後は、「超人同盟」のメンバーの原作小説が読みたくなります

ネモ船長ってあんなに強かったっけ?

トム・ソーヤってCIAだったっけ?(絶対違う)

ジキル博士の自信のなさからくる苦悩は、ハイドに変身する以外解決方法なかったの?

ドリアン・グレイの肖像画の謎って?

小説につまった人間の欲に対する教訓を再発見できる

「超人同盟」のメンバーの原作のようなクラシックな小説は、人間の欲に対する教訓がたくさん詰まってて面白いです。

ドリアン・グレイの美しさへの執着とかまさにそうですよね。透明人間やジキル博士からは、科学の正しい使い方って?と考えるきっかけになりそうです。

「リーグ・オブ・レジェンド」でも、そんな小説に込められた教訓を垣間見ることができます。

この作品は、映画としては正直パッとしない感はあります。設定は面白くなる要素しかないのに、なぜか華がなく、ストーリーも設定負けしていて普通な印象を受けます。

でも、続編は作って欲しかったです。続編が制作されなかったのは、どうやらショーン・コネリーが監督と揉めたそうで。そして、そのままショーン・コネリーは現役引退してしまうという悲しい終わり方をしております。

いつかリメイクしてほしい作品です。

「本読みたいな〜何の本読もうかな〜」と探している方は、ぜひ映画を観て読む本を決めてみてはいかがでしょうか?

リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い(2002年/アメリカ・ドイツ)
監督:スティーヴン・ノリントン
出演:ショーン・コネリー、ペータ・ウィルソン、シェーン・ウエスト、スチュアート・タウンゼント他