タイトルの長さはご愛嬌、きっちりオチがつく痛快群像劇

私がこれまで観た映画の中でも、1位2位を争うぐらい覚えにくいタイトル。

「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」です。

「ロック、ストックなんだっけ?」となりがち。

タイトルは覚えにくいものの、クライム・ムービーや群像劇が好きなら見ておいて損はない作品です。

「スナッチ」や「シャーロックホームズ」シリーズで知られるガイ・リッチー監督の出世作。

「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」では、いくつかのストーリーが並行して展開していきます。最初は関係なさそうに見えたそれぞれのストーリーがあれよあれよという間につながっていき、最後はすっきり解決します。

ギャングやマフィアなどキャラの濃い登場人物たち、オチのついたストーリー展開、ドタバタ群像劇が絶妙なバランスで組み合わされていて面白いです。

あらすじは、以下の通り。

ロンドンの下町に住んでいる若者のエディは、ある日仲間3人とお金を集め、ギャンブルで一攫千金を狙います。しかし、そのギャンブルでうまいこと騙されて惨敗。しかも、エディと仲間3人は、そのギャンブルの元締めに莫大な借金を背負わされてしまいます。

借金の返済猶予は一週間と言い渡され、「そんな額の借金返せるかよ!」と絶望するエディと仲間たちでしたが、偶然にもアパートの隣人の強盗計画を耳にします。強盗計画をさらに強盗して金を手に入れてやろうと計画するエディたち。果たして計画は無事に成功し、彼らはお金を返せるのでしょうか?

20世紀と21世紀を代表するセクシーハゲの競演

「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」は、ガイ・リッチー監督の出世作であると同時にジェイソン・ステイサムのデビュー作でもあります。

今やアクション映画に欠かせないセクシーハゲです。

ブルース・ウィルスやニコラス・ケイジがなりをひそめる中、ジェイソン・ステイサムはハリウッドのセクシー薄髪部門に頭角を現してきました。

この作品では、主人公の3人の仲間の一人を演じており、強盗犯をコミカルに強盗します。ジェイソン・ステイサムの持ち味であるアクションはあまり見られませんが、存在感は抜群です。おでこにトランプ貼り付けて、耳から何かが飛び出しているジェイソン・ステイサムが見られるのはきっとこの作品だけです。

そして、もう一人この作品にはセクシーハゲが登場します。

それは、スティングです。

私の中でのかっこいいハゲの代名詞です。この作品では、主人公の父親を演じています。スティングの本業である歌は聴けませんが、ロンドンの下町のバーがよく似合うイケメンのお父さんです。

「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」は、ストーリーとして魅力がありますが、出演者も負けず劣らずです。マニアックにセクシーハゲの競演を楽しめる作品でもあります。そんなところに着目するのは私ぐらいかもしれませんが、好きな人にとっては垂涎ものであるに違いない(と信じています)。

ガイ・リッチー監督らしく、映像と音楽もカッコよく仕上がっています。ビールでも片手に、漫画を読む感覚で気軽に楽しみたい作品です。

ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ(1998年/イギリス)
監督:ガイ・リッチー
出演:ニック・モラン、ジェイソン・ステイサム、ジェイソン・フレミング、デクスター・フレッチャー、スティング他