「薄毛はセクシーだと教えてくれた」スティングの6年ぶりとなる来日公演決定

最近、薄毛について恐怖心が芽生え始めた、そんなあなたに朗報です。

音楽業界を代表するセクシーハゲ界の大御所ことスティングが、東京・大阪での来日公演に加え、東京での追加公演を発表しました。

セクシーハゲ大先輩の活躍ぶりを目にすれば、いつかその時が来た時のために、心穏やかに過ごせそうですね(決してイジっていません、大マジメに大ファンですし、称賛していますので、そこのところは誤解が無いようにお願いします)。

そんな訳で今回は 2017 年 6 月に 6年半ぶりの来日公演(ロックバンドを従えての来日は12年ぶり)を控えるスティングについて、スティング初心者が、初心者に向けて、ライブの予習の意味を込めて解説していきたいと思います。

さて、最近は洋楽が好きな人も減って来ているような気がするので、念のため確認ですが、そもそもスティング氏のこと、みなさんご存知ですよね?

「ポリスね」とか、「イングリッシュマンだろ」とか、「セクシーハゲのことね」とか(まだ引っ張ります)、頭の中に出て来ましたか?

個人的には「映画レオンの最後のシーンで流れたあの曲を歌ってる人」が一番、人の理解を得られそうな気がするのですが、いかがでしょうかね。

すでに私の頭の中では、マチルダが養護施設の庭に穴を掘って、植木鉢から観葉植物を大事に植えてるシーンが浮かんで来てます。

あ〜、あの曲の人ねと思っていただいたところで、もっと詳しく説明していきます。

まずはどんな人かをご紹介

スティングは、本名をゴードン・マシュー・トーマス・サムナー(Gordon Matthew Thomas Sumner)と言い、1951 年 10 月 2 日にイギリスのニュー・キャッスルで生まれました。芸名からは想像出来ないお名前でしたね。

スティングと名乗るようになったのは、ステージで黒と黄色の縞模様の上着を着ていたいたことから、蜂の針(スティング)と呼ばれるようになったそうです。

また、現時点(執筆時 2017 年 3 月)で、 65 歳の英国紳士ですが、歌声や写真を見ると全くその年齢を感じさせない若さで驚かされますね。

ご実家は牛乳屋さんで、少年時代はとても貧しい生活を送っていたそうです。

そんな貧しい少年時代に、孤独と未来への不安や不満を抱えながらも自分の未来を自分で切り開くことを決意し、小学校の国語教師を経てロックの世界に飛び込みました。

1977 年に伝説的ロックバンド「ポリス」を結成し、様々な名曲を世に生み出していきます。

中でも自身初のナンバーワンヒット曲は、ポリス時代の 2 作目のアルバム『 Reggatta de Blanc 』の先行シングル『 Message in a Bottle 』です。

一度は聞いたことがある人も多いと思いますが、アップテンポのこの曲は今聞いても素晴らしい楽曲であると共に、当時のスティングの心の葛藤を歌った曲です。

先ほど紹介した貧しかった少年時代の孤独や疎外感をメッセージとして外へ送ることで、みんな孤独の中に生きているというメッセージが凄い反響と共に戻ってきたと語っています。

迷える名曲とポリスの解散

1983 年にポリス 5 作目のアルバム『 Synchronicity 』をリリースします。このアルバムは、ビルボードで 17 週連続で 1 位を獲得しています。

特筆すべきは先行シングル『 Every Breath You Take 』です。おそらく聞いたことが無い人はいないはず。なんてったって、いたるところでかかっています。確かに最高傑作と称するに値する名曲です。

スティング独特の声色が冴える優しいメロディと共に、愛する人をずっと『見つめていたい』という和訳が一般的です。

人によっては、結婚式とかでもこの曲が流れているのを聞いたことがあるかもしれません。しかし、ご自分の結婚式で流すのは、少し控えた方がいいかもしれません。

実は作詞の背景には、スティング自身の結婚生活の崩壊と離婚という裏の事情が絡んでいて、破った誓いを恨めしく「目を光らせて監視しているからな」と綴った怖い迷曲という専らの噂です。

「スティングさん、何やってるんですか」と、ツッコミを入れたくもなりますが、ご本人はビック・ブラザーについて考えてたんだとおっしゃっていまして、真意は本人のみぞ知るというやつですね。

さて、様々な憶測を生んだ『 Every Breath You Take 』ですが、興業的には大成功を納めていて、1984年のグラミー賞において『 Every Breath You Take 』で最優秀楽曲賞を受賞しています。掘り返しますが、前妻への監視を歌った曲で大成功を納めてしまうなんて、スティングの意図した復讐は達成できたのかもしれませんね。

ここで話をスティングの経歴に戻しますが、 1984 年に惜しまれながらポリスでの活動を停止しました。

先にポリスの歴史だけ明かしておくと、 1986 年に再度集まるも上手くいかず、今度こそ活動停止。長い沈黙のあと 2003 年にポリスがロックの殿堂入りを果たした時に授賞式で集結、 2007 年にもデビュー 30 周年を記念し再結成とともにワールド・ツアーを敢行しました。

ソロ活動への転向

スティングは 1985 年からソロ活動を本格的に開始します。

そして 1987 年にリリースされたアルバム『 …Nothing Like the Sun 』は総販売枚数 200 万枚を超え、世界的に大ヒットを記録しました。

このアルバムの中でひと際大ヒット曲として記憶されたのは、ニューヨークに暮らすイギリス人の心を歌った『 Englishman in New York 』です。

コーヒーではなく紅茶を愛し、いつも手に持つのはステッキ、と愛国心丸出しで、自分のことを「合法的なよそ者」と心寂しくも、いつでも自分らしくあることを歌っています。

知らない土地でこの曲を聞くと自分も「 I’m a legal alien 」と、スティングの心情を模しながら歩いた方もいるのでは無いでしょうか。

個人的には歌詞の途中で出てくる「 Manners maketh man (礼節が人を作る)」というイギリスのことわざを用いたフレーズが印象的です。

その人の生まれや家柄ではなく、然るべく努力の元、培った礼節こそが立派な”紳士”を作るという意味で、これまでの自分の人生を振り返りながら、異国の地で立派に生きていくことを象徴しているように感じます。

ちなみに「 Manners maketh man 」という言葉は、少し前の映画『キングスマン』で、こちらも見事な英国紳士のコリン・ファースが話していました。『キングスマン』は続編も製作されているようなので、気になる方は是非ご覧になってみてください。いろんな意味でぶっ飛びます。

孤独な牛乳好きな殺し屋と不運な少女

それでは少し先に進みます。

人々に強い印象を残した楽曲で忘れられないのは、冒頭で簡単に紹介しました凶暴な純愛を描いた映画『レオン』です。

もはや説明不要かと思いますが、 1994 年にリュック・ベッソン監督によって撮られたこの映画は、独特の世界観と豪華キャストが器用されていて、今でも根強いファンを持つ映画です。

個人的にはレオンでもマチルダでもなく、ゲイリー・オールドマン演じるベートーヴェン大好きノーマン・スタンスフィールド(通称:スタン)が大好きです。

さて、この映画のラストで流れるのが、スティングの『 Shape of My Heart 』です。

またしても個人的にはですが、『レオン』と『 Shape of My Heart 』は切っても切れない関係で、どちらかを思い浮かべると必ずセットで両方思い出す不思議な縁で結ばれた仲みたいな感じですかね。

しかし、あの悲しげなギターと哀愁漂うメロディが、映画のエンディングにぴったりで、スティングファン以外も『 Shape of My Heart 』を好きになった人は多いのではないのでしょうか。

また、『 Shape of My Heart 』の歌詞に出てくる主人公はギャンブラーとされていて、映画の主人公であるレオンも殺し屋で失敗したら即死亡という、人生をギャンブル的に消化する生き様は、無粋かもしれませんが共通点だと感じています。

関係ない話ですが、レオンと言えば律儀に 2 パックずつ買う牛乳を思い出しますね。さすがに偶然でしょうが、スティングの実家で営んでいたのも牛乳屋さんですから、ここでも不思議な縁を感じます。

社会運動と音楽性の転換

スティングは人生を音楽活動だけではなく、幅広い広い分野で謳歌させています。その一つが、社会運動です。

エコロジー活動として熱帯雨林基金を設立したり、人権擁護活動で一国(チリ政府)から表彰を受けたりと、国際的な人権保護活動家としての側面を持ち合わせています。それに合わせて、自身の音楽性も多様性を取り入れたものへ変化し、 UK ロックとは少し疎遠になります。

しかし、イギリスが生んだロックスターには、やっぱりロックを歌って欲しいと思っていた方もそうでない方も、スティングはついにロックに帰って来ました

そして 2016 年の 11 月になんと 13 年ぶりのロック・アルバム『57th & 9th (邦題:ニューヨーク 9 番街 57 丁目)』が発表されました。

そしてそのアルバムを提げやってくる、 2017 年 6 月の来日公演に、今から期待満載です。

英国紳士はラーメンがお好き

つい最近( 2016 年 11 月)もプロモーションのため、来日しているスティングですが、実は日本ではラーメンが大好きなことを自身の SNS で、かつ写真付きでアップしています。

その時は、らーめん山頭火でラーメンを食べている写真をあげています。

なんとも英国紳士もラーメンがお好きなんて、ちょっと意外ですね(いい意味で)。

ちなみに他に好きなラーメン屋さんは、麺匠 竹虎と博多一風堂という渋めのチョイスです。あの囁きハスキーな声で、替え玉お代わりしている姿を想像すると、何だかニヤけちゃいますね。

それでは少しお腹が空いたところで、スティングの日本公演大成功を期待して締めくくりたいと思います。

ちなみにスティングの実家の牛乳屋さんは、お兄さんが後を継いだそうなので、ご安心を!

まだ 6 月まで時間があるので、他の名曲も予習してライブにお出かけしましょう。