意外と知られていないIMAX
最近では、 IMAX 対応映画館も全国各地に導入され、身近な存在になっている IMAX ですが、実はよく分かっていないという方も多いのではないでしょうか。
映画館に行ったら、IMAXと通常スクリーンでは料金が異なります。追加料金を払って IMAX で観るか、それとも通常のスクリーンで観るか迷いますよね。どこまで求めるかによって答えは変わりますが、せっかく映画館に行くならIMAX?
「せっかく映画館に行くんだし、IMAXと通常スクリーンの違いは押さえておきたい!」という方のために、ここではIMAXについて簡単に解説していきます。
IMAX とは?
IMAX は、カナダの IMAX 社が開発した動画フィルムの企画で、その映写システムを指します。
IMAX の特徴は、通常の映画フィルムよりサイズの大きな映像を記録し、上映できる点にあり、高精細度の映像を楽しめる技術です。
また、上映時は正方形に近いスクリーンに投影され、広い視野角を得られるように座席の傾斜がキツく設定されています。そのため、より映画の中にいるような感覚を強められるようになっているのです。
通常の映画との違いは?
映画館の IMAX シアター自体が実は IMAX 仕様にカスタマイズされていて、独自の上映システムとして確立しています。
特にサウンド面では、 IMAX シアター用に整備された複数の独立型専用スピーカーや精密なサウンドをチューニングするシステムが実装されています。そのため、どの席に座っても完璧にコントロールされたクリアなサウンドを楽しむ事ができます。前の方の席しか空いていなくて、大音量で映画を観たのも懐かしいですが、せっかく同じ料金を払うならどの席に座ってもクリアなサウンドの方がいいですね。
また、映像を投影するデジタルプロジェクターは、 2 台を同時使用してリアルタイムの映像調整を行い、驚くほど明るく鮮明な映像を実現しています。
もっとコアな比較をすると
さてここからはコアな領域に移って行きますが、 IMAX と一言で言っても実はいくつかの種類があります。
ここまで見てきた IMAX は、「 IMAX デジタルシアター」と呼ばれるものを指していて、日本で一般的に IMAX といえばこれです。
そしてその格上となるのが、 2015 年 11 月に大阪にオープンした IMAX レーザー映写機を導入している「 IMAX レーザーシアター」です。日本映画館界の今のところ頂点?らしい。
この「 IMAX レーザーシアター」は、従来の「 IMAX デジタルシアター」が 2 K のプロジェクターを利用しているのに対し、その倍の解像度の 4 K での映写を採用しているのです。
しかし、当然と言えば当然の事かもしれませんが、世界にはさらに格上がいます。また、勘のいい方はお気づきかもしれませんが、IMAXだってフィルムカメラで撮影しているのだから、そのままフィルムで投射すればいいんじゃないかとお思いですよね。
通常のフィルムは 35 mm フィルムですが、 IMAX フィルムの場合は 70 mm フィルムで撮影し、当然フィルム上映も可能です。
では、なぜ一番基本的な IMAX 専用のフィルム上映について語られないのか。それは日本に「 IMAX フィルムシアター」が存在しないからです。
つまり、日本を飛び出さないと観れないのです。もし海外旅行を検討中の方で、「 IMAX フィルムシアター」が旅行先にあれば、一度訪れてみるのもいいのではないでしょうか。字幕は日本語ではないので、映画を楽しめるかは別ですが(やっぱり英語の勉強は必要ですね)。
結局 IMAX で観るべきか?
当然、チャンスがあれば観るべきだとは思います。
しかし、ここで重要なのは通常のデジタルシアターや「 IMAX デジタルシアター」では、製作者の意図が汲めない不完全な状態での観賞になってしまうという事は押さえておくべきです。
これはアスペクト比の関係で、ほぼ正方形に近いサイズの IMAX フィルムに対して、日本の映画館のスクリーンは大抵の場合、横長ですよね。
そうすると、上下の映像を切り落として上映する事になります。
SF 映画「スター・ウォーズ / フォースの覚醒」が上映された時も話題になりましたが、このアスペクト比の関係で上下最大 40 % もカットされた状態で観る羽目になりました。
最大 40 % …ほぼ半分映像を見ていないとは悲しくなります。ちなみに、日本でピュアなサイズで観賞できたのは、上述の大阪にある「 IMAX レーザーシアター」だけでした。
上下40%の価値を体験しにIMAXへ!
映画館で映画を観るにも多くの意味合いがあるかと思います。好きな人とデートで映画を観に行くこともあれば、週末ゆっくり一人で観たい映画を観に行くこともあるでしょう。映画と映画館に求める役割も十人十色です。
必ず高解像度と完璧な音響、そして最大上下 40 % カットされていない映像が必要な訳ではありません。
確かによくよく考えると、視界の上下 40 % なんてほとんど記憶にも残らないし、何か意味があったかと思うかもしれません。
しかし、この記事を読んでいるモニターやスマートフォンの上下 40 %に置き換えてみると…まさしくリアルな現実、それが体感を生み出します。
IMAX も同じように、視界に入りきらない超高精細度の映像が、映画の中にいるような感覚を「体感」する強力な要素になります。
映画を体感しようと思ったら、 率先してIMAX で観賞するのがベストな気がします(大阪まで旅行しましょう)。