トム・クルーズの魅力は、アクションでなくコメディで開花する

ハリウッドを代表する大スター、トム・クルーズといえば、どの映画を思い浮かべるでしょうか?

「ミッション:インポッシブル」シリーズや「レインマン」でしょうか。イーサン・ハントは文句なしでかっこいいですよね。「トップガン」と「ザ・エージェント」も忘れがたい。そして、「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のブラッド・ピットとの妖艶な絡みも印象に残っています。

トム・クルーズの代表作を考えると、本当にキリがありません。毎年何らかの作品に出演し、世界中の人々を楽しませてくれ、ラジー賞にもアカデミー賞にもノミネートされています。まさに現在のハリウッドに大いに貢献している俳優の一人です。

私自身トム・クルーズは特に好きな俳優というわけではないのですが、小学生のときに「ミッション:インポッシブル」の宙吊りでパソコンを打つ姿を観てから気になる存在ではあります。トム・クルーズの近年の作品を観ると、アクションやSF、社会派ドラマ系の作品が多い印象ですが、個人的にはコメディ要素の強いトム・クルーズが一番好きです。

以前より私は、「イケメン俳優は、王道ヒーロー役よりもダメさや気持ち悪さのある役をやった方が素晴らしい」と感じています(あくまで個人的な感想)。現在旬なライアン・ゴズリングや元祖イケメンのブラッド・ピットもクセが強い役が似合います。少し頭のネジが外れている役をやっている方が魅力的に見えます。

名だたるイケメン俳優の中でもトム・クルーズは、特に変な役が似合うと個人的には感じています。トム・クルーズはアクションヒーロー役が多いため、ちょっと変わった役を演じているのを観ると、普段のイメージとのギャップを感じて面白みにつながるのかもしれません。トム・クルーズがあの爽やかなイケメンルックスでなんか変なことしてる!!のがすごく面白いのです。

最強の脇役コミカルなトム・クルーズが楽しめる映画3選

ここでは、個人的な好みで大変恐縮ですが、コメディ要素の強いちょっと変わったトム・クルーズが堪能できる作品を3つまとめてみました。主役よりもインパクトのある脇役を演じた2作品とカメオ出演した1作品です。どの作品でもトム・クルーズは真剣に演じているのですが(おそらく)、その真剣さがなぜか笑えてしまい、気分が落ち込んだときに良い薬になります。

トロピック・サンダー/史上最低の作戦

ベン・スティラー主演のコメディです。ベン・スティラーも嫌いじゃないし、共演しているロバート・ダウニー・Jr.の怪演もかなりツボでしたが、この作品はトム・クルーズです。トム・クルーズを観るために存在していると言っても過言ではありません。初めて観るとトム・クルーズだとは気づかないほど容姿が変わっているのですが、気づいてから観るとじわじわスルメのように面白さが込み上げてきます。最終的には容姿が変わっていてもなぜかイケメンに見えてきてしまい、トム・クルーズまでいくとどんな容姿でもイケメンオーラは隠せないのかと感服してしまいます。

そして、この作品のハイライトは、エンドロールです。Ludacrisの曲に合わせて、トム・クルーズの華麗なソロダンスを観ることができます。このソロダンスは、「ラブ・アクチュアリー」のヒュー・グラントのダンスと同じくらい素敵です。以下の動画でエンドロールのソロダンスを観ることができますが、この映画をまだ観ていない方は、動画はスルーしてまずは映画をぜひご覧ください。

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ロック・オブ・エイジズ

「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」と同じくらい、私の中でトム・クルーズが主役を完全に食ってしまった作品です。作品はコメディではなくミュージカルなのですが、トム・クルーズだけコメディ要素の強い仕様となっています。ただキャサリン・ゼタ=ジョーンズとアレック・ボールドウィンも負けずに相当面白い感じになっているため、二人とは良い勝負です。「ロック・オブ・エイジズ」自体ロックの名曲の数々を使った青春ミュージカルで、十分楽しめる作品ではあるのですが、一番楽しませてくれるのはトム・クルーズだと思います。妙なクネクネ感で魅せてくれます。

トム・クルーズはロックスター役なんですが、上半身裸でクネクネしていて、背筋から色気と笑いを届けてくれます。実在するロックスターをイメージして演じているのだと思いますが、トム・クルーズがやるとコミカルに感じます。Def LeppardのPour some sugar on meを熱唱するシーンは素敵です。Def Leppardご本人もこの作品のトム・クルーズを「素晴らしい!」と褒めていたそうです。トム・クルーズ版Pour some sugar on meが気になる方は、以下の動画で観ることができます。作品の中では他にもBon Joviなどを聞かせてくれます。

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オースティン・パワーズ ゴールドメンバー

「オースティン・パワーズ」シリーズと言えば、1990年代後半から2000年代のはじめにかけて、007のパロディとして大ヒットしたコメディ作品シリーズです。「オースティン・パワーズ ゴールドメンバー」は、シリーズの3作目にあたります。作品としては、1作目と2作目に比べ面白みに欠けます。主演のマイク・マイヤーズがエネルギー切れして、トーンダウンしてる感は否めません。しかし、この3作目のオープニングは素晴らしいです。この作品のピークはオープニングであるとも言えます。そのオープニングに出演しているのが、トム・クルーズです。

なりきりオースティン・パワーズ役のトム・クルーズがなりきりヒロイン役のグウィネス・パルトロウと寸劇を見せてくれます。トム・クルーズのキラースマイルがいい感じに胡散臭く、作品にぴったりです。寸劇には、ケビン・スペイシーやダニー・デヴィートも出演しており、素晴らしい演技を見せてくれているので、それだけでも観る価値があります。気になる寸劇は、以下の動画から観ることができます。

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次回作はミイラとの戦い

アクション俳優でないトム・クルーズの演技を観ると、「この人やっぱり只者じゃなくてすごい人なんじゃないか」と感じます。特に変な役を真剣に演じているトム・クルーズは、才能の塊なんじゃないかと(言い過ぎの可能性はあります)。プライベートでいろいろなゴシップはあれど、30年以上ハリウッドの最前線で働き続けているのだから、只者じゃなくて当然なのかもしれません。

只者でないトム・クルーズ、次回作「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」ではミイラと戦います。相変わらずお忙しい。体を張った主人公のトム・クルーズもいいですが、コミカルな脇役のトム・クルーズもまたスクリーンで観たいです。