ガンと闘うヒーローの登場

マーベルもDCコミックのキャラクターもそうですが、重いバックグラウンドを持っている人が多いです。

人間の欲望の被害者だったり、悲劇的な事故に遭っていたり。ウルトラマンの怪獣とか、核実験によって生まれたゴジラもある意味そうですね。

デッドプールも実はその一人。無責任ヒーローなんて宣伝で言われていたから、お気楽な感じかと思っていたら大間違いでした。

今や現代社会を暮らす人々とは切っても切り離せない病気、ガンと闘うヒーローです。ガンを患った患者本人、そしてその周囲の家族を描いています。おふざけ映画かと思いきや、今の時代にこそ見るべき映画かもしれません。

ガンと宣告されたとき自分はどう生きるのか、残された家族はどうするのか。不老不死になってまで生きていたいと思うのか。自分だったらどうするかを考えさせられる映画です。

醜い容姿でも愛してくれますか?

あらすじは、以下の通りです。

元傭兵のウェイドは、愛する彼女と幸せに暮らしていますが、ある日末期ガンと宣告されてしまいます。そんなとき、人体実験に参加すればガンを治療するという謎の組織が彼の前に現れます。愛する彼女のため、自分のために、ウェイドは人体実験に参加することを決めます。

謎の組織の人体実験は非人道的ですが、なんとか成功。ガン細胞は消え、ウェイドは不死身の肉体を手に入れることができたものの、容姿は見るに堪えない醜いものとなってしまいます。ガンは克服できても、これでは愛する彼女と幸せに暮らせない!ということで、不死身な肉体と超人的にまで強化された身体能力を武器に、Xメンのメンバーも巻き込みながら、ウェイドは謎の組織への復讐を目指します。

ライアン・レイノルズの輝きに乾杯

デッドプールの良いところは、ガンという重いテーマ、しかし考えるべきテーマをエンターテイメント作品の中で扱ったところだと思います。ガンと闘うヒーローはコミカルでシュール。観客にも話しかけます。

コミカルさとシリアスさのバランスが絶妙で、アクション映画ヒーロー映画として十分楽しめます。ただテーマは重いっていう。宣伝では下ネタ押しされてますが、そんな気になるほどでもない(たぶん)。

ライアン・レイノルズはやっぱりコミカルな映画が似合います。「グリーン・ランタン」より輝いてる!(そりゃそうか)そして、ちょろっと出てくるXメンがいい味出してます。

ガンの大敵はストレスと言われてますから、映画見て笑ってストレス発散することは大切ですね。デッドプールは殺られることもなくひたすら最強なので、ストレス発散映画としても秀作です。

デッドプール(2016年/アメリカ)
監督:ティム・ミラー
出演:ライアン・レイノルズ、モリーナ・バッカリン、エド・スクライン、T・J・ミラー、スタン・リー他