藤沢周平 とは

 

藤沢周平 とは、2017年1月で没後20年を迎えた時代小説家である。1927年12月26日生まれの山形県鶴岡市出身であり、1997年1月26日に69歳で亡くなっているが、今なお多くの読者が残された名作を読み継いでいる。

 

中学を卒業後、山形師範学校(現:山形大学)に進み、同学校を卒業後は山形で国語と社会を教える中学校の教師として働いていた。しかし、肺結核が発見されやむなく休職し、病院で入院する中で数多くの読書に励んでいたと言われている。無事に退院した後、教師として復帰を目指すも思わしい就職先が見つからず、やむなく上京し記者として活動し第2の人生を歩み始めたが、間もなくして妻が病気で亡くなり、やり場のない虚無感から小説を執筆するようになった。1971年に「溟い海」で第38回「オール讀物新人賞」を受賞、1973年には「暗殺の年輪」で第69回「直木賞」を受賞し、本格的な作家活動をスタートしている。中でも、暗い境遇からか救いのない雰囲気とヒロインの悲劇が特徴的な小説が多かったが、それ以降では下級武士や庶民の悲哀を描いた作品が多いことが特徴的と言える。その後も第20回「吉川英治文学賞」や第40回「芸術選奨文部大臣賞」などを受賞しており、1995年には「紫綬褒章」を受章している。映像化されている作品も多く、1983年に発表した「たそがれ清兵衛」は2002年に山田洋次監督によって映画化されているほか、1988年の「蝉しぐれ」は2003年にNHK金曜時代劇で放送され、その後映画化もされている。