週刊こどもニュースで感じた本当の「分かりやすさ」

私は、「週刊こどもニュース」という番組が好きでした。

小学生のときに、両親が見ていたので一緒に見たことがきっかけでした。

このおじさんの話ってなんか面白い!と思ったのと同時に、それまで大人の世界だったニュースが身近なものに感じられたのを今でもよく覚えています。

その当時から、「話が面白いおじさん」である池上彰さんに尊敬の念を抱いていました。

今では、分かりやすい説明をする人の代名詞となり、選挙特番も担当されています。テレビのあちこちが「週刊こどもニュース化」していて、理解力が鈍い私にとっては嬉しい限りです。

昔、会社で「分かりやすいプレゼン」に自信がある先輩が、「俺のライバルは池上彰だ!」なんて言ってたことがありました。私は、口には出さずとも「おこがましい…」と思っていました(ごめんなさい)。

私はその先輩の話を聞いても、心を打たれなかったし、納得感も別に普通でした(ごめんなさい)。

その時点でおそらくその人は、分かりやすい説明がうまくはなかったのだと思いますが、池上彰さんは一般的に言われる「説明が分かりやすい人」とはちょっと違うと感じていたのです。この人とはなんか違うという違和感がありました。

池上彰流「分かりやすさ」が薄っぺらくない理由

なぜ、そう感じたのかが、池上彰さん著「考える力がつく本」を読んで分かりました。

すごく単純なことだったのですが、池上彰さんの話す内容が「薄っぺらくなかった」からだったのです。

この本では、池上彰さんがNHKの記者時代から現在に至るまで、どのように情報を仕入れ、整理し、インプットとアウトプットの仕方と考える力を身につけていったかが書かれています。

ものすごく情報にこだわって、自分のものにして発信していこうと務められていたことがよくわかります。

よくある付け焼き刃の情報を並べて、それっぽくプレゼンしたのとは違ったのです。難しい本から持ってきた難しい用語をそのまま使ったり、横文字のオンパレードにしたり、伝える気あるのか?って人時々いますよね。俺かっこいい、俺賢いアピールはもうわかったよって感じで。

一方で、池上彰さんの説明は、用語や横文字は小学生でもわかるように言い換えられています。さすが週刊こどもニュース。

必ず情報を自分のものにして、自分の言葉で噛み砕いて伝えていたからこそ、池上彰さんの説明は分かりやすい上に、人の心にすっと入ってくるのだと改めて感じました。

本を読むだけでライバルに差をつけられる時代になった

でも情報を自分のものにするってすごく大変な努力だなと思います。毎日新聞を読んで、雑誌も読んで、本も読んで、そしてそれらを自分の言葉でアウトプットしていく…

毎日勉強勉強の連続です。日々仕事に追われ、帰ったら「あー疲れた」でビールを飲んでテレビを見て寝ていた私は、勉強を怠っていたことを激しく反省しました。

「考える力がつく本」を読んで、大学時代、社会人なりたての頃に無理をしてでも本を読む習慣をつけとけばよかったなと思ったことは言うまでもありません。

この本の中で、池上彰さんは、「人は本を読まなくなった。だから、読んでいる人が一歩抜け出せる楽な時代になった。」と書かれています。

本当にそうかもしれません。

インターネットの情報サイトは便利ですが、やはりまだ活字には勝てない気がします。私が本が好きだからということもありますが…

本の紙の匂い、ペラペラめくる音、残りのページを見ながら「あっあとこれだけで終わってしまう!」という喪失感。たまらないですね。

「考える力がつく本」を読むと本を読みたくなります。池上彰さんの話だけではなく、大企業のリーダーたちがどんな本を読んでいたか、読書家エピソードも書かれています。ファーストリテイリングの柳井正さんや星野リゾートの星野佳路さんなど。

何かの道を極めた人は、本を読んで過去の偉人と対話し、本を通して偉人たちの思考、経験を疑似体験している。

そこに成功の秘密があるのかもしれません。

結論、秋だし本が読みたいですね、ということです。

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