成功するためには、やはり「頭の良さ」が必要なのか
有名な企業の経営者と言うと、優秀な学歴を持っている人が思い浮かびます。
楽天の三木谷浩史さんは一橋大学出身だし、ユニクロの柳井正さんは早稲田大学出身、ドンキホーテ創業者の安田隆夫さんは慶應義塾大学出身です。
ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー11月号の「未来をつくるU-40経営者」に特集されている方々の学歴を見ても、やはり高学歴揃いです。
チームラボの猪子寿之さんは東京大学、wantedlyの仲暁子さんは京都大学、ブイキューブの間下直晃さんは慶應義塾大学、メルカリの山田進太郎さんは早稲田大学など。
大学の学生数が多いとかそういう事情もあるかと思いますが、経営者のプロフィールを見ると、どうしても同じような学歴が並んでいるイメージがあります。
会社でも「あの人はどこどこ大学の出身だから優秀で」なんて、少なくなったとはいえ、学歴が話題にのぼることはしばしばです。
成功するには、天才肌だったり、持ち前の頭の良さが必要だったりするのかと、否応なしに感じてしまうのです。
何かを成し遂げた人に共通する2つの力
ハーバードビジネスレビュー11月号の「未来をつくるU-40経営者」には、時代を拓くリーダーとして20人が選出され、簡単にプロフィールと紹介が載っています。
それを読んでいてふと気づいたことがありました。
それは、彼らに共通しているのは学歴だけではなく、「踏み出す力」と「継続する力」があるということです。
例えば、チームラボの猪子寿之さんは「仲間たちとそのまま一緒にいたい」という理由で、大学卒業後にチームラボを立ち上げています。
仲間たちと一緒にいたいと思っていても、実現に向けて「踏み出す力」を持つ人はなかなかいません。
ブイキューブの間下直晃さんは、大学在学中にブイキューブを設立したものの、当時主力商品としていた安価なウェブ会議システムは営業が難航。しかし、リーマンショック以降、企業の出張費削減により、市場シェアが一気に伸びたと言います。
「便利だけど、会議は人と会うことに意味がある」と言われ、主力商品が売れない苦しい状況が続きながらも、営業を「継続する力」を維持し続けるのは楽なことではなかったでしょう。
勇気を持って「踏み出す力」と諦めずに「継続する力」。
この2つが何かを成し遂げた人には必ず見られている気がします。
同じくハーバードビジネスレビュー11月号の「未来をつくるU-40経営者」に載っている、ソフトバンクの孫正義さんの記事を見てもそれは感じられます。
シャープに翻訳機を売った「踏み出す力」と1年半収入無しでビジネスアイデアを考え続けた「継続する力」。
孫正義さんの成功を語るには欠かせない2つの力なのだと思います。
「頭の良さ」も2つの力の賜物
おそらく、同じような学歴の人が揃うのにもこの2つの力が関係しているのだと考えます。
成功者に高学歴の人が多いのは、勉強においても「踏み出す力」と「継続する力」を発揮したのではないでしょうか。
すべての人がとは言いません。世の中には2つの力なしでも成功できる、天才と呼ばれる人も存在します。
しかし、天才とか生まれ持った才能ではなく、踏み出したり継続したりといった行動によって、何かを成し遂げられると思えると、ちょっと希望が持てますよね。
私でも何かできるんじゃないかと。
よく、「俺だって本気出せば、あれくらいできる」と言う人がいます。
きっとそれは真実なのでしょう。
だって、「本気出して踏み出せるか」が重要なのです。
生活の中には認知の偏りがたくさんある
ハーバードビジネスレビュー11月号には、「認知バイアスの克服法 イノベーションは「ありふれた光景」にある」という記事も載っています。
新しいアイデアを生み出すには「現実を疑え」とよく言われますが、つまり「現実の認知の仕方」を疑えということです。
大人になると「一般的にはこうだから」などと、経験が増えれば増えるほど認知の仕方は偏り、凝り固まってきます。
もしかしたら、認知の仕方の偏りが少ない子どもが、イノベーションには一番向いているのかもしれません。
そして、「成功するには頭の良さが大事」というのもまた私の認知の仕方の偏り。
現実の認知の仕方を疑った結果出てきた答えは、2つの力の可能性です。
自分の認知の仕方を疑うことで、希望を持てる結論が導き出せるかもしれません。