「いい攻撃はいい守備から」と、スポーツの世界ではよく言われたりしますね。
コンクリートジャングルで必死に闘うビジネスマンにも同じことが言えます。
何かあった時に守ってくれる安心感があるからこそ、思い切った攻撃(仕事)が出来るのではと考えています。
そこで今回は著者の馴染み深い『生命保険』とその選び方について考察していきます。
生命保険を検討する人の多くは、ライフプランに変化が訪れた人であるとよく言われます。
かく言う私も結婚を機に、夫婦揃って生命保険を検討しました。
その時に感じた事や周辺知識は追って記載しますが、先に結論から。
結論
結論:1.
生命保険で調べ始めると種類が多過ぎて収拾がつかなくなるので、死亡保険と医療保険の2種類に絞る。
結論:2.
死亡保険は、『低解約返戻金型終身保険』の一択。
結論:3.
医療保険は、『終身医療保険』で備え、ガン家系であれば『ガン保険』を追加。
それでは、それぞれについて詳しく説明していきたいと思います。
【LESSON1 保険とは】
そもそも保険についてですが、この分類がうまく理解されていないことが、保険嫌いを生む大きな理油になっているのでしょう。
(理解はしてても説明できない人も保険会社や関係者の中でも多いですが)
簡単にまとめてみたいと思います。
○保険は、まず「公的保険と民間保険」の二つに大分されます。
公的保険は社会保険とも呼ばれ、医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5種類の社会保険制度があります。
それに対して、保険会社で販売されている民間保険があります。
○民間保険も「生命保険と損害保険」の二つに大分されます。
生命保険は、ある事象による損失に対して、事前に定めた保障を提供される保険です。
要は死んだら(事象)、1,000万円を支払います(保障)という保険契約が一般的かと思います。
それに対して、損害保険は実際に被った損害の分だけ補償が受けられる保険です。
例えば本来は発生し得ない偶発的に生じた損害に対して、その実損分だけ備えるための保険と言えます。
【LESSON2 生命保険の種類】
ようやく本題の生命保険にたどり着きました。
次は生命保険の種類を見ていきましょう。ここでも上手くセグメント分けをしていかないと分かり難くなるので注意が必要です。
大きく分けて以下の3分野といったところでしょうか。
・死亡分野(定期保険、終身保険、低解約返戻金型終身保険、養老保険、定期付終身保険など)
・医療及びガン分野
・老後及び貯蓄分野
以上のように生命保険の大分については、分かりやすい3分野でここまでは大きな混乱に陥ることはないかと思います。
一般的に大勢の方に、保険嫌いのバイアスをかけているのは、実は死亡分野だけなのです。
要は生命保険の中でも死亡分野だけしっかり理解しておけば、保険選びは難しいことではありません。
【LESSON3 生命保険(死亡分野)の選び方】
恐らくここまでの記述内容(LESSON1〜2)については、プロの保険屋さんのブログや保険会社のホームページでも、
正直同じようなことが書いてあるかと思いますが、ここからが大きな違いとなります。
検討の開始にはそれぞれ理由がありますが、そもそも何故、生命保険(死亡分野)が必要なのでしょうか?
大抵の人は、万が一、自分が死んでしまった時、残された家族に少しでもお金という形で何か残したいという気持ちがおありだからだと思います。
逆にそれだけが理由であれば、生命保険(死亡分野)の検討はここで終わりにされるのをオススメします。
何故なら、LESSON1で見た通り、実は公的保険でそのリスクへのカバーはある程度、備えられているからです。
幸いにも日本には、遺族年金という国民年金、厚生年金、共済年金の制度で、亡くなった場合に残された家族へ年金という形で保障されます。
(亡くなられ方の職業や収入、家族構成等によってその額と支給期間が決まります)
次に皆さんは会社の就業規則をきちんと読んだことはありますか?
大企業にお勤めの方でしたら、上記に加え共済会や親睦会もしくは労働組合はありますか?
実は生命保険の死亡分野をカバーしてくれているのは、国だけではないのです。
一般的に会社で福利厚生の名の下、死亡弔意金や会社版遺族手当が準備されています。
上記に併せて、老舗の日系企業などの大企業では、会社からの保障に加え、共済会や親睦会、労働組合が独自で、
同様な死亡保障を備えている企業が多く存在します。
つまり、ほとんどの人が知らず知らずのうちに、国や会社に勝手に保障してもらっていたのです。
そうすると上述した通り、万が一の自分の死亡に備えは必要ないということになります。
では、著者はなぜ生命保険に入ったのか。
理由は以下の2つ。
①死亡への保障ではなく、貯蓄をメインに生命保険を活用しようと思ったため。
②会社からの福利厚生による死亡保障は会社の業績によっては無くなる可能性がある点と、自身が転職してしまうと、
保険契約上、脱退させられてしまうため、個人に紐ずく保障はあって然るべきと判断したため。
【LESSON4 生命保険(死亡分野)の選択】
生命保険の選び方は、ご理解いただけたかと思います。
では肝心のどの保険商品を選択すればよいのか、というところまで辿り着きました。
答えは、先述の結論でも申し上げた通り、『低解約返戻金型終身保険』の一択です。
漢字だけ読んでもよく分からないかもしれませんが、内容はごく一般的です。
要は支払う保険料は一定額となっており、それが将来に向かって積立(貯蓄)られ、途中で万が一死亡した時は、死亡保障になる保険です。
恐らく今の若手〜中堅世代のメイン選択肢となるのが、こちらの保険になるかと思います。
ただし、世の中うまい話だけではないので、少しだけ注意が必要です。
『低解約返戻金型終身保険』は自身で設定する保険料払込期間に到達する前に、保険を解約してしまうと返戻金の額が少なくなりますよというものです。
つまりは、保険会社と約束(契約)した期間しっかり積みたれば、それ以降はどんどん利益になるが、途中で解約すると少し損するといった、
目先の利益よりもさらに少し先のより多い利益を構築する手段を、生命保険を活用して実行すると思っていただければ良いかなと思います。
【LESSON5 医療保険の選び方と選択】
死亡に対する保障は整いましたね。次は自身が病気や怪我で入院もしくは通院した時の治療費をどうするかです。
究極的には貯蓄があれば、必要ないと思います。
実際のところ病気や怪我をする確率として、日本における総入院患者数で試算することができますし、世間に腐るほど数字が出ていますし、
保険屋さんに聞けば喜んで答えてくれると思いますので、ここでは直接的な言及はあえてしません。
あえてお伝えするのであれば、確率論や統計上の数字は作成側の解釈でいくらでも数字が変えられる事かと思います。
統計学専門の方に怒られてしまうかもしれませんが、数字のトリックを見破れる自信がある方ならば、数学的に必要の有無をご検討されるべきかと思います。
我が家では例えばどちらかが病気で1週間以上の入院をせざるを得ない状況の際、高額な治療費の支払いが可能かと、
介護側のパートナーが現状の貯蓄の中から支払想定額を引いた金額で生活が出来るかを考えました。
加入時の年齢にもよるかと思いますが、我が家では無理という結論に至りました。
ですが、勘の良い方であれば、医療の分野にも公的保障があるのではと考えられるかと思います。
もちろんあるにはあるのですが、少々使い勝手があまり良くないのです。
一つ目は健康保険の傷病手当金です。
簡単に概要だけご説明すると連続する4日以上働けなくなった時に使える補償制度です。
しかし、一回補償がスタートすると復帰したタイミングに関わらず、最長補償期間の1年6ヶ月分の権利を使い果たしてしまいます。
ですので、使用する側からすると、使いどころを悩むケースがあります。
二つ目は健康保険の高額療養費制度です。
医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。
問題は払い戻しされる期間が一般的に3ヶ月以上に設定されており、タイムリーな補償を得られません。
【まとめ】
結論:1.
生命保険で調べ始めると種類が多過ぎて収拾がつかなくなるので、死亡保険と医療保険の2種類に絞る。
結論:2.
死亡保険は、『低解約返戻金型終身保険』の一択。
結論:3.
医療保険は、『終身医療保険』で備え、ガン家系であれば『ガン保険』を追加。
戦略的な守備をメインに置き、生命保険の選び方を記載してきました。
極力分かりやすくシンプルな文章を心がけてきましたが、周辺情報としてはまだまだお伝えし切れていません。
それほど今回のテーマの生命保険は複雑なものであることがご理解いただけたかと思います。
当記事は一般的な内容に沿って記載していますが、当然ながらすべての人に適用されるわけではなく、
職種や家族構成、年齢等によっては選択肢も異なる場合がありますので、参考程度にご覧頂ければ幸いです。